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みちのくエコーステイション 木霊の駅

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海水面上昇

〈山地流域から流出する浮遊土砂と有機物(柳井、寺沢1995)〉

現在において、森林と河川、海域に生息する生き物との生態的関係の具体的検証の例は少ない。

  • 浮遊土砂の質:流出土砂の30〜50%が有機物(約4分の1)。
  • 広葉樹の葉は針葉樹に比べ分解が早いため、土砂に含まれる率が多くなる。
  • 溶存状態の有機物はバクテリア、植物性プランクトンに摂取され、動物性プランクトンを介し魚介類に利用される。
  • 不溶存状態(懸濁状態)の有機物は栄養的には利用されにくい。

そのほかの報告として。

海域にもたらすシルト(数ミクロン〜数十ミクロンの粘土状の土)等の無機成分は、藻類にマイナス影響を及ぼし(荒川、松生、1990)有機物はプラス作用がある。

流出土砂が魚、藻類に良い影響を与えたとした研究例 〉
(青森県今別町地元漁協の要望により、治山ダム土砂排出工事)

海岸侵食防止事業によって海藻生育箇所の土砂移動が少なくなり、磯の岩石の表面が砂に洗われなくなったため、と考えられた。土砂排出工事の結果、コウナゴ(イカナゴ)の漁が増えた、イシモズク(ナガマツモ科)の生育が旺盛となった。


 離岸堤:砂の流出を止めるため波打ち際にブロックを並べる。写真のブロックは波を止めるためのもの。

 近年日本中の砂浜が減っている、野田村の砂浜も、離岸堤の効果もない。川のダム、堰堤、海の護岸化により砂利の供給が少なくなった。温暖化により海水面の上昇も影響していると考えられる。2080年には日本全国の砂浜が消えると言う予測もある、恐ろしい予測を当ててはならない。

 写真は岩手県野田村の十府ヶ浦海岸。砂浜が後退し、防波堤の前にブロックを並べた。画面中央に40年ほど前、小型セスナ機が不時着、住民が砂に埋まった車輪を掘り起こし、そのまま飛び上がっていった。それくらい砂浜が広かったのだ。

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