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酸性雨(水)と森林カラマツ

〈樹幹流と酸性水pH〉

 針葉樹林が酸性水を生む、の認識が一部にあるが、「樹幹流(木の幹を伝って落ちる雨水)」と森林全体から流れ出る雨水のそれは別である。

相澤ほか、によると樹幹流のpH(H2O)の高い樹種として次のものをあげている。

ヒバ(5.1〜6.1)、ブナ(5.9〜6.5)、ユリノキ(5.9〜6.7)、オニグルミ(5.5〜6.5)ハリギリ(5.6〜6.6)、ヤマナラシ(5.8〜7.2)。

またpHの低い樹種としては

スギ(3.5〜4.1)、コバノヤマハンノキ(3.4〜4.6)、オオヤマザクラ(3.7〜4.6)、ホオノキ(3.2〜4.2)等である。

  1. この樹幹流の影響する範囲は、およそ根元に限られ、カラマツ林の場合、林内雨の20分の1の量でしかなかった(相澤.1996)。
  2. 樹幹流の酸性傾向を示すスギなどの根元から離れた位置では、林令が増すほどpH が上昇する傾向がある、スギの葉中には高濃度のCa(カルシュウム)が蓄積(澤田1991)根元から離れた土壌ではCaが増加、pH上昇の進行が考えられる。
  3. 樹幹流の塩基濃度が低いブナなどは根元土壌の交換性塩基の減少が見られる、根元から離れた土壌は根元よりpHの低下傾向になる。
  4. 樹幹流のpHはCaが多く含まれている樹種ほど高い傾向にある、ユリノキなど。

写真は日本特産樹種カラマツ、春は黄緑に、秋は黄金色に輝くき、針葉樹で唯一落葉する、
生き物に優しく、水源としても、木材としても誠に優秀な樹木である。

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