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磯焼けと森林

森林と海の研究からの考察 〈河川水量減少の原因及び影響〉

 森林を皆伐した場合、積雪の融雪は早まり流出は早く終わる。水量の月最大流量も伐採前は伐採後より大きい。

 昭和20〜40年代にかけての成長量を越えた森林の伐採や大面積皆伐、1950年代から顕著に見られるエルニーニョ現象による温暖化により、積雪の減少と保水力の減少が相乗的に重なり河川水量が大きく減少したものと考えられる。

 積雪の減少、早期融解、温暖化による雪の密度低下が河川の水量低下と共に水温を高めていると考えられ、低水温高栄養下で育つコンブ類の成長を生理的に悪化させ、これを主食とするウニ、アワビの生育、更には沿岸で生育する魚貝類にまで悪影響を及ぼしていると考えられる。

磯焼けの原因は森林か

 北海道日本海沿岸における「磯焼けは森林伐採による鉄分不足」とする陸上起源説(松永1993)に対し北海道立中央水産試験場は、世界的に共通した生態学的要因によって起っていたことを実証し、磯焼けが技術的に克服できる、と報告した(1994)。

2003年3月26日年岩手県北上山系山形村国有林内において積雪調査を行った。

スノーモビルで7?s奥の山中へ。イヌワシの餌場確保のためカラ松人工林を列状に間伐した箇所、標高900メートル。

雪の量は例年に比べさほど多くないがこの地点は1.8メートルの積雪。

比重は0.3〜0.4。1平方メートルあたり630リットル(?s)、この量が残雪として7月頃まで地下水の供給をする。

だが上のグラフは1923年当時と比べ40日以上積雪が解けやすくなっているデータ(盛岡気象台)がある。地表面ではなく空気中に解けやすくなっているのだ。

雪国の川の水量はこの積雪が水の量を決定していたとする以前の研究が正しい事を証明する。また間伐や択伐(適度な抜き切り)施行により積雪量が増える事が分かった。

上流の広葉樹林の伐採だけでなく、決定的なのは、地球温暖化による雪の減少と、それを蓄える期間が極端に少なくなったことなのだ。

(調査中野、山形村こだまの会)

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