「木霊の駅」は、自然や環境、そして文化を育てたい方が一緒に楽しみ、学び、自然や人間の知恵を”こだま”のように広げることが目的です。
みちのくエコーステイション 木霊の駅

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木霊”こだま”のお告げで発行
会報 木霊の駅

みちのくエコーステイション『木霊の駅』会報
第15号(2003年2月3日) 目次

泉田さん再び”グランプリ”へジャンプ


「木霊の駅2002年度総会」松茸・焼き肉・鮎・あわびうめがった

副会長 松尾 亨

 今年度の総会兼研修会が9月22・23日岩手県盛岡市と秋田県小又峡(※当初計画の岩手・秋田県境女神山登山から変更)を舞台に、日頃の研鑽で鍛えぬいた会員14名の参加で楽しく、和やかに行われました。
 1日目は盛岡市近郊の都南つどいの森で、グリーンアドベンチャーコースの樹木を中心に研修会を開催し、80種ほど樹木を再確認しました。その後温泉で一汗流したあとは、会員のみなさんが持ち寄った、山海の珍味・各地の銘酒を味わいながら2002年の総会となりました。
 会長から会の運営について、みなさんへの感謝の挨拶があったあと、次の2点について審議され参加者全員一致で可決されました。

1.年会費を現行の1,000円から2,000円に改定する。
2.事務局の通信経費等を含めて会の運営費から、事務経費として年額12,000円を支給する。

 また、懇親会では充実した会報について事務局への讃辞の声や、次回の総会や研修会のコース選定、事業については瓶が空になるほど盛り上がり、事務局で調整しながら考えていく事としました。
 2日目は、昨夜の疲れも見せず予定どおりの7時半出発で、秋田県森吉町の桃洞滝散策に向かいました。平坦地ながら往復約4時間のコースでブナやヤチダモの巨木林が続き、岩盤を穏やかに流れるノロ川渓流を楽しみながら、尾根筋のキタゴヨウや瑠璃色の実を付けたサワフタギを見つけてきました。
 2日間の研修会で感じたことはいつもの事ながら…。会長・工藤さんの植物学造詣の深さに感服でした。(終)
(画像 写真、桃洞滝をバックに。2002年9月23日)

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"木霊の駅"雑感  〜出会い、そして感謝〜

青森県十和田市 坪 隆

 早いものである。定年退職して五年を過ぎようとしている。十和田市沼口工務店社長(現会長)に誘われて"木霊の駅"に入会して三年。年三、四回ほど開催される"集い"に、私自身参加させていただいた一回目が"白神山地ふれあいトレッキング"であった。
 工藤会長以下十二名ほどの森林インストラクターの方々の他に、特に仙台方面からの参加者が多く、三十名を越す方々との出会いであった。自然の景観に触れながら、あるいは夜の懇親の場を通して様々を学び、そしてまた発見することである。
 ブナ林散策の途中、草木、花の名称、それも単に名称のみならずその由来等々に及んで解説してくれる。ブナの木に耳を当てて聞こえる音を、あるテレビでは水を吸い上げる音だと解説していたが間違いである…我々の歩くこの一歩の歩幅の間隔の中に数万の生物が棲息している…笹の背丈は冬の積雪の深さを示す…植物でも、出来るだけ優秀な子孫を残すために近親交配をさける原理が働いている…等々数え切れないほどのことを工藤会長の解説から学ぶことである。さらには後藤純子氏の特に昆虫に対する愛情表現、そしてその造詣の深さには驚きである。
またいつぞやの集い、本州最東端"とどヶ崎"の「重茂」(おもえ)のヨミカタ、その集落の豊かさなど中野雅幸氏からの説明、これまたあらたなる発見であった。

 川村晃寛ご夫妻、そして岳ちゃんを含めてのご家族一緒の自然へ、さらには人間への愛情の豊かさ、思いやりにはいつも敬服する。
 先般九月二十二、三日の集いには、家内共々参加したが、工藤会長の「…たまたま知らない野草は、足でそっとカクシテ…」にはいっそう尊敬の念を強くした次第である。
 青森県県立学校退職校長会(さつき会)で年一回発刊している"さつき会たより"の会員短信欄に私は次のように載せたので・・・。
「八月もあと幾日もなくなった頃、ホントに何日ぶりであろうか、漸く燦々とした御天道様を拝むことが出来、あらためてその有難さ、偉大さを感じることである。
 自然の偉大な恵みを自然らしくしていないのは他ならぬ人間、就中豊かさの追求、経済効果をねらう結果であろうか。
 感謝のこころであれ、ものの大切さであれ、このごく当り前の行為こそ、いまの人間が喪失しているものではないだろうか。」(終)

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連載「マキ&フウの山便り」No.2
「源流の呼ぶ声」

仙台市 荻原富士子

 4年前、40年振りの大雨だった北アルプス雲の平を計画通りの山巡りは出来ませんでしたが、薬師岳を登り、雲の平、黒部五郎カールから太郎平までの周回した山行は、今考えるとちょっと無謀でした。登山道はどこも川となり雪渓の有るところはシルバーコンパスで方向を決めて、霧の中を行きつ戻りつ、夏道を見つけほっとしたり、黒部五郎カールでは急流の川が出来ていたり、北俣岳稜線上は風雨が激しく体が冷えてうんざりしてきた頃、霧の中に太郎小屋がぼおっと浮かんで見えたときは感激しました。
 この山行に出掛ける前、伊藤正一氏の「黒部の山賊」を読み、さまざまな「アルプスの怪」があるものだなと思ったのですが、まさか自分が不思議な体験をするなんて考えもしませんでした。
雲の平から霧の中を黒部源流へ下っていた時、登山道より上の方から「オーイ!オーイ!」と呼ぶ声がしました。決まってオーイ!を2回繰り返します。他の登山者がいるのだろうと気にもしませんでした。花畑の源流を越え三俣山荘に寄りコーヒーとケーキを食べ、ちょうど山荘におられた伊藤正一氏と記念写真も一緒に写しました。この夜は憧れの黒部五郎小屋泊まり。
 翌日も雨止まず。「雨の山も美しいね!」などと強がりを言いながら山女2人は風雨の稜線を歩いていました。すると、またしても源流の方向から「オーイ!オーイ!」と呼ぶ声がします。「釣り人が仲間を呼んでいるのだろう」と思っただけでした。やっと太郎小屋に着き小屋の方に泊まるように引き止められたのに、下れば駐車場だしと軽く考えてしまいました。ところが、真っ暗な杉林の奥からまたしても「オーイ!オーイ!」と呼ぶ声が聞こえた時、「これは人の声では無い?!物の怪ではないのか?!」と背中がゾーッとしました。恐ろしくなりザックをおろして上蓋に入れてあるヘッドランプをいくら探しても見つからないのです。いつも手探りでも探せるのに。堀江さんのヘッドランプは電池の残量が少ないのか乏しい明るさです。とにかく、廻りを見ないようにして登山道だけを見て、声を掛けて励まし合いながらひたすら下りました。折立の登山道入り口には愛知大生13名の遭難碑が立っているのですが、その前を走るように通り過ぎ、車のドアを開けて中に入った時はほっとしてどっと疲れが出ました。13時間も歩いたのです。ヘッドランプを探してみましたらすぐ見つかりました。堀江さんに「オーイ!」のことを聞きましたら彼女には聞こえていなかったと言います。
帰宅してから「黒部の山賊」を読み返してゾッとしました。
 「オーイ!オーイ!」と呼ぶ声のことが書いてあったのです。
 「死を誘うオーイ!の呼び声。山のバケモノたち」の章にありました。(おわり)

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森は尽きないエネルギー 十二

中野 雅幸

木炭ストーブで一九四五年前後自動車が走った。てっきり今も木炭ストーブが有るものとばかり思っていた。それが岩手県に見つからない。とうとう自分達で作ることにした。山形村に協力する人が現れたから。その名は「まつたけ1号」(形がまつたけに似てる)。現在「まつたけ3号」実用化に向け実験中。
 木炭もバイオマスエネルギー。新エネルギーに国でも認定したはずだ?コストがどうこうでなく、腐る木を炭化し長持ち保存、特に木の種類を選ばない、間伐材・廃材なんでもござれ、環境材料にもなる(床下に私も敷いてる。ホント暖かいよ)。
 尽きないエネルギーの見本、木炭。バイオマス住宅設計も同時に取り組む。なかなか大変だが、林業界、地球のため。だがものになるか分からない。今のところ誰もあてにしていないようだ。

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虫さんのおはなし

後藤 純子

「東京インセクトフェア」
 このイベントは1981年に始まりました。当初の目的は、主に蝶の愛好家が、他の愛好家と蝶の標本を交換することだったそうです。今では世界各地の昆虫標本が集まり、日本全国から大勢の人が訪れる一大イベントに成長しました。
 日本ではまだ馴染みがうすいですが、昆虫標本の展示即売は、本場ヨーロッパでは100年以上もの伝統があります。美しい虫、珍しい虫を捕まえた際、それを長く保存し人に見せたくなるのは、ごく自然な発想です。その流れの中で、標本作製の技術が確立し、標本を展示する場としての博物館が考案され、博物学、分類学という学問の概念が生まれ、私達もおなじみのダーウィンやファーブルといった人物が登場してきたのです。たかが虫けら、されど虫けら、こんなものに情熱をもつ人々がいたからこその歴史なのです。
 さて、東京インセクトフェアに話を戻しましょう。
これは毎年9月23日、東京は大手町のサンケイホールで開催されます。標本に限らず、生きたクワガタや蝶の幼虫、昆虫採集道具、昆虫に関する貴重な文献、はては昆虫柄のTシャツや文房具、アクセサリーなども見られます。ただし、法律で採集や売買の禁止されている昆虫は出品できません。
 私は標本は集めていませんが、いろんな虫を眺めたり、遠方にいる知り合いの虫仲間と会えるのが楽しみで、時々フェアを訪れています。
 皆さんもいかが?
(画像 写真 今年のインセクトフェアで。真ん中のお嬢様が純子先生ですぞ!)

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野鳥を観る人 バンダーって誰?

岩手県遠野市 山崎和恵

 はじめまして、こんにちは。私は、遠野市役所に勤めております、山崎と申します。現在、岩手県の沿岸南部に位置します釜石市鵜住居川の河口に来ております。時刻は朝の6時。まだ薄暗く、冷え込んでいます。
実は、この河口一帯に広がっていますヨシ原にて「バンディング(BANDING)」という野鳥の調査が行われています。そのバンディングについて、ここで調査をしているCさんにお話を伺ってみたいと思います。
 おはようございます(以下「山」)。
C氏(以下「C」)おはようございます。
山 Cさんがやっておられる「バンディング」という調査ですが、実際にはどういったことをしているんですか?鳥を観察して、数えるとか?
C いえ、一言でいうと、渡り鳥の標識調査です。渡り鳥の渡りのルートを解明し、その生態を明らかにするためです。
山 具体的には何をするんですか?
C かすみ網をひろげて、鳥を捕まえます。そして、通し番号の書かれたごく軽い金属でできた足環(リング)をつけて放すんです。そうすると、また違う場所でバンディングをしている「バンダー」がその鳥を捕まえると、その鳥の渡りのルートが点と点とを結ぶことによってわかります。
山鳥を網で捕まえるんですか?鳥は大丈夫なんでしょうか?
C 一般的には、網を張っている場所から少し離れたところにベースキャンプのようなものがあって、天候等の状況によりますが、網を1時間前後の間隔で見まわります。網からはずすときも、鳥に負担のかからないよう慎重にやります。それに、この調査をする「バンダー」になるためには、鳥の種類の特定はもちろん、オスとメス、子供か大人かを識別することに加えて、リングのつけ方、鳥を網からはずす技術を習得していなければなりません。
山 「バンダー」というのは資格なんですか?皆さんボランティアなんですね?
C 「バンダー」は環境省から標識調査の事業委託を受けた山階鳥類研究所というところが年1回程度講習を実施して、試験をし、合格して認定を受けて始めて「バンダー」となり、調査をすることができます。「バンダー」にとって、調査は義務ではなく、山階鳥類研究所に参加申し込みをする形になっています。網で鳥を捕まえることは本来は違法ですから、調査には許可が必要ですし、網の管理も厳しいですよ。
それと、私も含めて皆さんボランティアですね。本業のかたわら、週末や休暇を利用したりして、調査をしています。
山 調査は年間通じて?
C やっているところもありますが、大体、秋の鳥の渡りのシーズンのみ調査しているところがほとんどです。ここもそうです。9月半ばぐらいから11月の末ぐらいまでですね。夜明け前後と夕方がピークですのでほぼ一日中野外にいることになります。寒くなってくるときついですね、もこもこと着込んで重装備は必須です。あと、私みたいな早起きが苦手なバンダーは大変です(笑)。
山 なんだか大変そうですねえ・・・
C まあ、好きでやっていることですし(笑)、楽しいですよ。いろんな鳥を自分の手の中でじっくり観察できるわけですから。それに、一日外にいるのは気持ちがいい。天気がいいと最高ですね。一人のときもありますが、手伝いに来てくれる人もいますので、おしゃべりしたり、本を読んだり、ぼーっとしたりとなかなか贅沢な時間なのかもしれないです。秋晴れの下で飲むコーヒーなんて格別ですよ。
なにより、この調査によって鳥の渡りのルートが解明されることで、繁殖地や越冬地だけでなくて渡りの中継地の保護につながるんです。やりがいがありますね。
山 「バンダー」でなくても調査を手伝えるんですか?
C もちろんです。最初から網から鳥をはずしたりするのは難しいかもしれせんが、調査の記録を取ったりと、いろいろと。遊びに来るだけでも歓迎です。人が多くてにぎやかな方が楽しいし。鳥を持ってもらったりもできますよ。
山 なるほど。ちなみにここの調査地はどんな鳥が来るんですか?
C 現時点で22種の野鳥にリングをつけました。コヨシキリからノビタキやカワラヒワ、変わったところで、タシギやカワセミ、クイナなんてのもかかりましたね。ここで調査を開始してまだ3年
目ですが、渡り鳥にとって、重要かつ貴重な中継地である、というのが実感です。この調査のデータを活かしてこのヨシ原を守れないか、模索中なんです。
山 今後の目標というところですね。頑張ってください。Cさん、ありがとうございました。皆さんも、関心のある方は、ここ、鵜住居のヨシ原へおいでください。野鳥との新しい出会いがあるでしょう。それでは、釜石市鵜住居川河口からのリポートでした。さよ〜なら〜

てな感じで、バンディングやってます。雨天およびバンダーの気まぐれがなければ大体調査はしています。↑では部外者のフリしてしまいましたが、大体、おおむね、多分、時々、私も手伝っています。目印はシルバーのマツダトリビュート。堤防から見えますよ。潮の影響を受ける湿地として、植生も面白いです。皆様、おいでまし♪(終)
(画像 バンダーのイラスト)

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地球化対策の盲点(と温暖その3)
のんべのための環境地質学、盛岡駅

川村晃寛

 今年は季節が早め早めに訪れているような気がします。タマゴタケやハツタケなど晩夏のきのこはお盆に採れたし、岩手山ももう麓まで真っ白になってしまいました。一般的に地球温暖化などの気候変動が認識できるのは、このような季節の変わり目を示す指標が、いつもと違う時期に現れるためなのです.しかし、この早い季蔀の動きは本当に地球温暖化のせいなのでしょうか?また、良く耳にする「昔はもっと雪が多かった「最近は夏が暑い」は本当なのでしょうか?本題に入る前に、過去の気象記録を調べてみます。40年前からさほど変わっていない?下図は盛岡での過去40年間の平均気温の変遷を示しています。変動がありますが、概ね上昇しているようです。灰色の直線はその傾向を示していますが、40年間で約0.7℃上昇しています.しかし「最近は夏が暑い」と言わせるせる程の気温上昇でしょうか?


 次は夏の最高気温を同じように見たものです。


変動幅が大きいですが、傾向的にはほとんど変わっていないと言っても良いくらいです。東京などヒートアイ
ランド化の激しい都市では、確実に最高気温は上昇していますが、我等がカントリーでは決して夏に暑くなっているわけではないのです。では何故暑くなったと感じるのでしょうか?これは、人工地盤の照り返しや冷房に身体が馴らされたせいもあるでしょうが、温暖化の言葉の氾濫と記憶の曖昧さの複合作用なのかも知れません。
  以下は盛岡の最深積雪量を同じように見たもめです。
  

  

 確かに最近は蒙雪らしいものがなく、傾向的に少なくなっていますが、過去5、6回起こっている豪雪年を除けば概ね30〜40cm前後の積雪で、最近極端に減っているというわけではありません.豪雪時のイメージが強すぎるため、雪が減ったと思われるのでしょう。因みに温暖化が進むと、空気中の水蒸気量が多くなり、かつ海洋からの蒸散活動が増えるため、北国の降雪量は逆に多くなる可能性もあると言われています。
 さて、平均気温の上昇が示す通り、温暖化は確実に起こっています。今何もしなければさらに加速され、北日本では100年間に5℃も上昇すると見込まれています。今まで経験したことがないような気候変動が起こるのは確実です。ただ、今のところ他に温暖化を示す決定的な証拠は少なく、せいぜい「季節が早く訪れたのは、温暖化がもたらす気侯の変化のせいかも知れない」と言える程度なのです。メディアの「温暖化の影響で云々・・・。」という報道は、根拠の薄いものも多いのです。また、今後加速する温暖化の本当の恐さがお解りでしょうか?
温暖化の怖さとは?書くべき前提条件が多すぎて、今回も本題(個人として出来ること、その貢献度)に入れないようです。すみません。しかし個人レベルの温暖化対策の実行には、正しい基磋知識を持つ事が一番重要だと思います。そこで、温暖化の本当の柿さを考えてみます。温暖化に伴う弊害はいろいろ言われていますが、最終的には以下の5つに集約されると思われます.
1.水不足水被害(食料危機)
 2.自然生態系の破壊    
 3.沿岸域の水没      
 4.健康への恐威      
 5・地域経済格差の拡大  
このうち特に2と4について考えてみます。  
温暖化により、より適した生息環境を求める生物は、気温の低い北方や高地に移動するようになります。温暖化による気候帯の移動速度は約1.5〜5.5キロメートル/年と見積もられています。これに対し、樹木が種子をとばして分布を広げる速度は、40m/年〜2キロメートル/年と言われ、ほとんどの植物は気侯帯に追いつけません。代表的な樹木の移動可能速度は次の通りです。
  ブナ200〜300m エゾマツ、トウヒ80〜500メートル
  マツ1500m    カシワ、コナラ75〜500メートル
 最近、県のレッドデータブックで絶破危惧種に指定され、陸前高田にのみ分布するとされていたていたオオバグミ(グミ科)が大船渡で見つかり、関係者は喜んでいましたが、温暖化の影響で北上したのかも知れないと考えると、喜んでばかりもいられない現象なのです。またそれより前に岩手でウラギンシジミ(福島以西に分布すると言われていた)という蝶が発見されましたが、蝶は比較的移動し易いため、岩手まで北上したものと思われます。
 他の動物の多くは、自然の障壁や人工物で移動出来ず、絶滅の危機にさらされるのは必至です。このように生態系が南方型にシフトし、孤立種など多くの種が絶破する危機にまさに瀕しようとしているのです。早池峰のアカエゾマツは、もう絶滅する運命なのです。
 最後に健康への脅威について。
 熱射病が増大し、特に北国の高齢者の死亡率が高くなると予想されています。また生態系の南方型へのシフ
トに呼応するように、マラリヤやテング熱が日本に定着する恐れが出てきました。
 今対策を施しても、すぐに温暖化は止まりません.アカニゾマツを例に取りましたが、もう手遅れになっていると思われる種も多いのです。せめて今出来ることを自戒も込めて次号で.

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野田村とと山形村が面白いのはその住人のせいなのか?
という仮説について」その2

盛岡市川村冬子

 岩手県野田村日形井の宿「苫屋(とまや)」には電話がない。だから宿泊の予約は葉書を送る.すると奥さんの久美子さんがお返事を下さるという仕掛けになっている。私らが今年5月に泊まったときは中野御大が直接訪ねて行って予約をして下さったので、私らは葉書を出していない。囲炉裏端の酒盛りで、「苫屋からのハガキは囲炉裏の匂いがする」という話になった。坂本夫妻の仕事場・苫屋のキッチンも木のテーブルをどしっと置いた事務スペースも、囲炉裏間と一続きにどか−んとオープンスペースになっているので、薪や炭の匂いが引き出しにしまってあるハガキにも染みつくんだと。だから予約受け付けましたの葉書を受け取った人、あるいは楽しかった晩餉(ばんげ)のお礼に出した便りの返事を久美子さんから受け取った人は、すかさず苫屋の匂いを嗅ぐ、というのだ。滅茶苦茶楽しく思ったので翌朝苫屋をおいとまするときに、「葉書出しますから」「ウン、返事出しますから」匂いするかな」「ほんと、するかな」と、お葉書ぶんつうのお約束を久美子さんとしたのだ。そしてついこの間、あ−次の会報の原稿依頼しなくちや−と焦っていたとき、そうだ自分で前号で約束したではないか、とワクワクしながら葉書を書いた。
 結論を明かす。ほんとに苫屋からの葉書は囲炉裏の匂いがする。久美子さんが書いておられた。「ニケ月程前に買入致しました葉書き。ビニール袋に入れ、ひき出しに収められていたのですが、果たして苫屋の香りを
届けてくれるのでしょうか?これまた楽しくもあり、不安でもあり・・・。」
 なお、一緒に下さった展覧会のお知らせハガキは新しく刷られたものだろう、インクの匂いだけがする。昨日届いた香り葉書、今もくんくんしながらこの文を書いています。ありがとう久美子さん。

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泉田さん、再度グランプリ! (^o^)ノ
泉田さん、再度グランプリおめでとうございます。
野田村日形井の工房を訪ねてみましょう。最高賞受賞陶芸家のイメージとはちょっと違う若々しい之也さんが、はにかみを含んだ笑顔で迎えてくれます。
泉田ご夫妻にはこの夏赤ちゃんも誕生しました。ダブルでお祝い申し上げます。

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