「早池峰山・八幡平フラワートレッキング」
〜初夏の高山植物の花を観に行く〜
6月23日(土)〜24日(日) 記録:川村冬子
昨年夏の早池峰山・焼岳、秋の白神山地に続き、一般の参加者を交えて1泊2日のトレッキングを行いました。参加者は木霊の会員から3名、一般の方が仙台から7名、岩手県内から8名、それにインストラクター及び事務局として、藤原さん、松尾さん、後藤さん、川村夫婦が同行しました。
1日目は早池峰山登山。朝9時すぎに東北新幹線新花巻駅に集合し、「ロッジ・タンデム」のマイクロバスで小田越登山口に向かいました。バスの中では、参加者全員の紹介、コース解説や早池峰山の地質・動植物の説明、登山中の注意を、各インストラクターから行いました。
天気は晴れ時々曇り。小田越を出発し樹林帯の中を進むと、オサバグサの白い花が見られました。コメツガやナナカマドなどのトンネルを抜けると「御門口」、早池峰山特有の蛇紋岩と低灌木の風景が開けました。花期を迎えていたのは黄色のミヤマキンバイ、キバナコマノツメ、ナンブイヌナズナ、青いミヤマオダマキ、赤紫のミヤマシオガマ、また濃い紫のミヤマハンショウヅルの花も見られました。
「のんびりコース」のグループは3合目付近から下山、登頂組は5合目「千両箱」で昼食をとり山頂を目指しました。この付近で、わずかに花を開き始めたハヤチネウスユキソウやナンブトラノオも見られ、大もうけ(まだ季節的には早いと思われていたので)。7合目あたりからガスが立ちこめ始めましたが、まだ天候は上々で、白い絨毯を敷いたようなイワウメやチングルマの群落が霧の中に浮かんで見えました。
小田越コースのクライマックス「鎖場」を無事通過し、稜線へ到達。岩塊と湿原の「御田植え場」を通って、午後2時頃山頂へ着きました。祠の前で記念撮影の後、山頂小屋の中でお湯を湧かしてコーヒーやスープ(藤原さん、山田町の鈴木さん、ごちそうさま)、さらにドイツワイン(花巻の長谷川さん、ごちそうさま)も味わいました。
ガスで眺望は開けなかったものの、まず穏やかな天候のうちに下山しました。今回の早池峰登山では地元の監視員の方が同行してくださり、植物の解説もしてくださって、大いに心強かったのでした。監視員の泉沢さん、前川さんに、この場で再びお礼を申し上げます。
その後は一路、安比高原へ向かいました。宿泊は木霊の会員矢部公輔さん経営の「ロッジ・タンデム」にお世話になりました。近所の「あずみの湯」で温泉浴を楽しんだ後、山の幸をふんだんに使った心づくしの夕食を頂きました。食後は恒例の後藤純子先生の虫のスライドと、川村の屋久島のスライドでミニ講座を行いました。
翌朝は8時半にタンデムを出発して八幡平に向かいました。
この日のコースは、八幡平頂上駐車場を発ち、八幡沼、源田森頂上を経て、黒谷地に抜けるものでした。天気は曇り。やや冷たい風が吹き、眺望は開けませんでした。今年は春の到来は早かったものの、積雪が多かったためか残雪が多く、花の開花状況は遅いようでした。花が見られたのは、ベニバナイチゴ、イワナシ、ヒナザクラなどで、満開時には圧巻となるショウジョウバカマの群落にはまだ花は見られませんでした。
黒谷地のウッドデッキでタンデム特製のフキの葉で包んだ赤飯おにぎりと漬け物の弁当を頂きました。チシマザサの長い回廊を抜けると、八幡平トレッキングは終了。八幡平観光ホテルの「グリーンスパ」で温泉浴し、午後3時、全員の無事を感謝しつつ、解散となりました。
タンデムの矢部さん御夫妻とバスの運転手さん、引率兼運転手を勤めたインストラクターの皆さん、本当にご苦労さまでした。(おわり)